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経営に困ったら、まずは人事評価を見直すべき

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人事評価制度の問題

経営危機に陥る企業は、多くの場合、人事評価制度に問題を抱えているものです。従業員の大部分が、人事評価制度が不公平であると感じると、離職率が増え、人員を埋めるための採用コストが上がり、経営が行き詰るという悪循環に入りやすいのです。

また、企業の合併や統合が行われると、しばらくは元の人事評価制度が温存されるケースがほとんどです。A社がB社を買収し、B社の社員に対してA社の人事評価制度をいきなり押し付けると、B社側からは不満が出てくる可能性があります。そのため、合併や統合が実施された後、1年程度は人事評価制度を温存し、2年目から少しずつ変えていくという方法を選択する組織が多くなっています。

評価制度を変える

評価制度を変える際、重要なことは、「少しずつ変えること」になります。先程の合併企業の場合、A社の評価が4段階で、B社の評価が5段階の場合、合併直後にA社の4段階に変えるだけで、B社側の社員は、「やはりA社はすべてを押し付けるつもりだ」と感じてしまいがちです。評価制度を5段階から4段階に変更するだけでも、そう感じる社員がいるため、評価制度の中身を変える場合には、少しずつ従業員と話し合いながら実行していくことが重要になります。

また、A社が日本企業で、B社が外資系企業などの場合、日本企業が外資系企業を買収する形になり、評価方法についても色々なあつれきが生じやすくなります。年功序列終身雇用の制度がいまだに残る日本企業のやり方を、外資系企業出身者に押し付けると多くの場合、大量の退職者を生み出す結果になりがちです。

一番望ましいのは、日本と外資系のよいところを取り入れることですが、これはなかなかチャレンジングなことです。評価が低い従業員に対して退職勧告が一般的に行われている外資系企業が、日本企業に買収され、働かなくても退職勧告を受けない仕組みになると、モチベーションを下げる人が出かねません。

そのため、従業員を大切にして退職勧告を行わなかった日本企業であっても、評価体系を見直し、一定の基準で退職勧告を行えるような仕組みするなどの手続きを取る必要があります。働かない人が退職勧告を受けない組織では、元外資系の良さが現れず、結局優秀な従業員から順番に辞めていく結果になりがちです。

経営者は柔軟な思考が必要

経営者にとって重要なことは、自分がこれまで経験してきた評価制度が絶対的に正しいと思い込むことなく、柔軟な思考で適宜見直していく経営判断能力を持つことです。